猫との共存について語ってみる。
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晴乃輔

Author:晴乃輔
4匹の猫を天国へ旅立たせ、4匹の老猫と今も暮らしている私の猫狂的生活


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食べたいのに


食べたいのに食べられない。梅の様子は少しずつだけどよくなっているように見える。それなのに食べられない。体重も少しずつ減少。本日は6キロになっていた。そんなわけでステロイドを薦められた。副作用とか色々、気にならないと言えば嘘になる。だが見た目の元気を大事にしたい、と快諾。なのにー、即効性があるはずなのにー、食べられない。まだ口の中が痛そうで食いつきはよいのに、途中であきらめる。どーすりゃいいのさー。

本日の診察。最初に梅を見てくれた先生。ドクターが6人いて梅の担当は三人。他の先生から少しだけど回復傾向かも、と聞いていた先生、私が開けるより先にキャリーの蓋を外す。

「ありゃ?梅ちゃん!」

ぴょこっ、と顔を出し、キョロキョロと周りを眺める。元気になってるじゃん!と先生はびっくりしていた。ぐったりと動かない梅がここまで元気になるとは思ってなかったらしい。今朝の梅は特に調子が良さそうだった。私が起きると一緒におきて、ずっと私のそばをウロウロしていた。朝ごはんも催促した。食べられたのはスプーン一杯だけどそれでも嬉しい。私が下へ行くときも一緒に来る、というから抱っこで連れて行って母上にご挨拶。しかもそのまま1階に居座る余裕。爪とぎもやってみせた。ウニャウニャと喋りながらあちこちを探検する様子に、思わず母上からまだ置いといてあげていいわよ、のお許しが出て、そのまま夕方まで過ごして病院へ。

「こうなると私としては出来ることはしてあげたくなってしまう」

先生が言ったのは初診のときに気になっていた2点。心臓の動きが少し気になる、リンパ節付近に腫瘍がある。とりあえず調子が良さそうなうちにエコーと、レントゲン撮らせてもらえませんか?と言われた。リンパ節の腫瘍なら抗がん剤も効果がある、もちろん飼い主の意向でこのまま見守るというのもありだ、と。先週の私ならほっといてくれていい、と言ったかもしれない。でも結局検査したのは先生の言葉だった。先生が先週と比べてずっと前向きになってくれたのだ。梅が回復傾向を見せることを期待してなかったのだろう。

「13歳なら皮下注射だって2週間、3週間掛けてやっと効果が出るのも普通です。まだ飼い主さんがあきらめる必要はないと思うんです。せめて缶詰半分食べられるように出来ることはやってあげたい」

お願いします、と言うしかなかった。だがエコーでは確定できず、梅はレントゲンへ。待合室で待っていると、大人しい梅の声が聞こえてきた。んなっんなっ!ごめんね、と心の中で何度も謝っていた。腫瘍が直腸にあるなら治療はしない、リンパだったらどうしよう、抗がん剤を使えば食欲はますます落ちる、だが同時に静脈注射で腎臓の治療も出来る、色々考えているうちに30分経過。気持ちはどんどんブルーになっていった。15分くらいと言われたのに呼ばれたのは結局40分後だった。

「すいませんでした!!!」

いきなり先生が謝った。梅に何かしたのだろうか。でも梅さんは怒った顔はしてるが、特に変わった様子はなさそうだった。

「余計なご心配掛けてすいませんでした。しこりは大きなカッチカチのウ○コでした!」

あの40分を思い返してみた。不安そうな梅の声。先生の笑い声・・・いいなあ、我が子でなけえれば笑う余裕かよ、とうらやましく思いながらしばらく待つと「んぎゃっぎゃっ!」と梅の声。私がそばにいないと不安なのね、としんみり。私の頭の中はそんな状態だったが、実際はエコーが上手く撮れなくて、と先生が別の先生に話したら手伝うからもう一度やってみよう、となったらしい。そしてその先生が再度梅のお腹を触って、グリグリ触って、ぎゅぎゅっとつまんで「ウ○コだよ」と気づいたらしい。気づいてくれたのはモモの主治医だった先生だ。そして梅はレントゲンではなく、塊を崩してかき出して、という悲劇に見舞われたのだ。

先生は必死で謝るが、私はなんとも思わなかった。むしろ嬉しい。どんな検査をしたって良い結果など聞けない、と覚悟していた。だから腫瘍と確定されるのも覚悟の上だった。予想外の答えに嬉しくなった。ステロイドを投与しても食欲が出ないのがなぜかはわからない。でも梅はまだ頑張っている。

今日は病院から帰っても1階に篭城していた。2階のソファの一番端でトイレと水を飲むとき以外はずっと寝ていた梅が、今日はかなり動き回って、起きている時間も長かった。元気な我が家の猫たちには憧れの場所である一階。具合の悪い子だけが少しの間お世話になれる場所。そんな憧れの場所でも昨日までの梅は落ち着けずにいたのだ。なのに今日は半日をそこで過ごした。奥のソファから「んにゃにゃっ」と話しかけてきたり、なーなー言いながら歩き回る。お喋り猫だということが母上の前で立証された。

梅が猫らしさを取り戻した一日であった。明日はどんな梅に会えるのだろうか。
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2008⁄01⁄29 01:08 カテゴリー:梅さんは行く comment(0) trackback(0)
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